ポリファーマシーについて

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高齢者の健康に潜む危険を知ろう。ポリファーマシーとは?複数の薬物がもたらすリスクや、その回避策、家族が理解すべきポイントについて詳しく解説。ポリファーマシーの理解が健康を守る第一歩です。

1. ポリファーマシーとは

介護者・支援者として高齢者のご自宅に訪問すると【ポリファーマシー(多剤服用)】がよく見かけられます。

ポリファーマシーとは、患者が過剰な数の薬を同時に使用することを指します。一般的には、6つ以上の薬を同時に使用している場合にポリファーマシーとみなされます。

2.ポリファーマシーが問題となる主な理由

相互作用と副作用の増加:

複数の薬物を同時に使用することで、それらの薬物同士の相互作用が生じやすくなります。これにより、副作用が増加し、健康へのリスクが高まります。

誤薬・過量投与のリスク:

複数の医師や医療機関を受診している場合、各医師が異なる薬物を処方する可能性があります。患者や介護者が複数の薬物を管理する際、誤薬や過量投与のリスクが増大します。

複雑な服薬スケジュール:

多くの薬物を同時に服用することで、服薬スケジュールが複雑になり、誤った服薬が発生しやすくなります。高齢者は認知機能の低下や記憶力の減退があるため、複雑なスケジュールに対応するのが難しいことがあります。

経済的負担の増大:

複数の薬物を同時に使用すると、医療費が増加し、経済的な負担が高まります。高齢者が多くの薬物を必要とする場合、医療費の増大が生活の品質に影響を与える可能性があります。

健康への悪影響:

高齢者は、年齢による生理学的変化や既存の健康状態によって、薬物に対する感受性が異なります。ポリファーマシーにより、本来の治療効果が得られず、逆に健康への悪影響が増加する可能性があります。

治療目標の混乱:

複数の医師が治療を担当する場合、治療目標が一貫性を持たないことがあります。異なる医師が異なる薬物を処方することで、治療の方針が混乱しやすくなります。

高齢者の特有のリスク:

高齢者は肝機能や腎機能の低下、体重減少などが生じやすく、これによって薬物の代謝や排泄が変化します。そのため、複数の薬物を同時に使用することで、予測困難な反応が生じる可能性があります。

3.ポリファーマシーに対しての介護支援専門員の役割と対応

介護支援専門員がポリファーマシー(多剤服用)に対処する際の役割と対応にはいくつかのポイントがあります。

役割:

薬物療法の評価:

患者の医療歴を詳しく把握し、現在の薬物療法を確認します。
複数の医療プロバイダーが関与する場合、それぞれの医師からの情報を収集します。

毎月のモニタリングで「通院されましたか?」「お薬にお変わりはありませんか?」など新たに追加されたものはないか?確認が大切です。

薬物療法の最適化:

医師や薬剤師と連携して、必要な薬物の最小限の数に減らすか、適切な薬物療法の見直しを提案します。
重複した薬物や同じ効果を持つ薬物の選定に注意を払います。

多忙な医師が多いので、かかりつけ医の病院の医療連携相談員や、サービスでご利用されているのであれば訪問看護・薬剤師(居宅療養管理指導)と相談するのもよいでしょう!

患者・家族教育:

ポリファーマシーのリスクや、薬物の正しい服用方法、副作用への注意などについて患者や家族に教育を提供します。
服薬に関する質問や懸念に対応し、理解を促進します。

医師との連携:

医師と連携して、薬物治療の最適化に向けた計画を立て、実行します。
医師が処方した薬物療法が患者にとって適切であることを確認します。

対応:

薬物療法の調整:

不要な薬物の削減や調整を提案し、適切な薬物療法の見直しを行います。
薬物治療の目標や予防の観点から、必要な薬物のみを残すようにします。

薬物レビュー:

新しく追加された薬物が既存の薬物との相互作用を引き起こしていないか確認します。

患者の健康状態のモニタリング:

薬物治療の変更後、患者の健康状態や症状の変化をモニタリングし、報告があれば医師に連絡します。

連携機関との連携:

他の医療プロバイダーや薬剤師、看護師と協力して、患者の薬物療法を包括的に管理します。
患者の治療計画を総合的に調整し、ポリファーマシーの問題を解決します。

ご家族様へ

家族がポリファーマシー(多剤服用)に対応する際には、患者の医療状態や薬物療法に関する情報を理解し、安全かつ適切なケアを提供することが重要です。以下は、ポリファーマシーに対して家族が取るべき対応に関する一般的なアドバイスです

薬物リストの作成:

患者がどの薬物を服用しているかを正確に把握するために、家族は薬物リストを作成し、更新することが重要です。このリストには処方薬だけでなく、市販薬やサプリメントも含めましょう。

医師との連携:

定期的な医師の診察や薬物療法のレビューを確保し、治療計画を最適化するために医師と連携します。異なる医師が関与している場合、それぞれの医師に同じ情報を提供しましょう。

薬剤師との相談:

薬剤師との相談を通じて、薬物療法の最適化や相互作用の確認を行います。薬剤師は専門的な知識を有しており、正確な情報と助言を提供してくれます。

薬物管理の効率化:

薬物管理が効率的かつ誤りのないように、ピルケースやお薬カレンダー、薬剤管理アプリの活用を考えます。また、服薬スケジュールを視覚的に示すことで、患者が薬物を誤らないようにサポートします。

「わたしのROOM」にお薬カレンダーなど便利なアイテムを集めてみました。ご覧いただければ幸いです。

副作用や変化への注意:

家族は患者の健康状態を注意深くモニタリングし、新しい症状や副作用が現れた場合は速やかに医師に連絡します。特に新しい薬物が追加されたり、変更された場合は、それに伴う変化に敏感に注意を払いましょう。

健康状態の定期的な評価:

定期的な健康状態の評価を通じて、薬物療法の必要性や変更の必要性を検討します。これにより、不要な薬物が取り除かれ、最適な治療が確立される可能性が高まります。

医療情報の共有:

家族は患者の医療情報を共有し、緊急時に備えて患者の医療履歴や薬物リストを把握しておくことが重要です。特に救急医療の際に、的確な医療提供が可能となります。

ポリファーマシーに対応するためには、家族と医療プロバイダー、介護などの支援者との連携が不可欠です。情報の共有と効果的なコミュニケーションにより、安全に過ごしていただけるようにしていきましょう!

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